10連休だの平成最後だの令和だのうるせぇなぁクソ!!元号が変わろうが、先行きは見えねぇし人肌は恋しいしウダツは上がらねぇし金がねぇ!!
5キロ900円のパスタにマヨネーズかけてエンゲル係数を誤魔化してるくらいには金がないけど久しぶりに映画館に行った。『愛がなんだ』。僕のサブカルタイムラインにちょくちょく浮上してくるのでどうせ面白いんだろうなと思った。愛がなんだ ってタイトルもなんか良い。すごい引っ掛かる。最寄りで上映しているのは案の定あのクソサブカル映画館(テアトル梅田)。この世界の片隅に を観たのもここだったなー なんて言いながら席に着く。満席。立ち見までいる。若い女性が多い。
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、、、、、、、ッハァァ〜〜〜!!!!(歓喜の雄叫び)
って感じでした。
まず主要登場人物たちに共通するのが、現状の自分に満たされない、何かが足りないって倦怠感。それがモヤモヤ渦巻いて、やけに生々しくてチクチクする。
テルコ(主人公)
アラサーOL。自分がない。理想も目標もない。たぶん趣味もない。マモちゃんが好き。マモちゃんのためなら何でもする。マモちゃんになりたい。
マモちゃん
色白細身猫背雑誌編集。精神年齢低学年。33歳になったら宮大工になりたい、やっぱプロ野球選手になりたい、やっぱゾウの飼育員になりたい。物事にリスペクトがない。感謝もない。すぐ忘れる。
ヨウコ
テルコの幼なじみ。サバサバクール女。仕事最優先。正論と正義が正しい。自分は自分を客観視できてる。間違ったことは何もしていない。
ナカハラくん
カメラマン。陰キャ。いつも人にビクビク。自分はクソでダメで何も取り柄がない。悪いことは全て自分が悪いし、良いことは全部他人のおかげ。失敗して傷つく準備が万端。幸せになりたいっスね。ヨウコが好き。
書いててキツい。死にたくなってくる。2時間のストーリーの中で、この四者四様の 弱さ がお互いをひたすら傷つけ合う。無自覚に。悪人はいない。ただただ弱いだけなの皆んな。
テルコは病的にマモちゃんに依存していて、マモちゃん呼び出されたらいつでもどこでも駆けつけるし仕事もバックレる。仕事クビになる。しかしそれに対してマモちゃんからの見返りはない。マモちゃんにとってテルコはヤりたいときにヤれる女でしかないし、合コンで出会ったスミレっていうパリピババア(35)が好きで、スミレさんと距離を縮めるためにテルコも利用する。一緒に飲んだり旅行したりする。屈辱的な仕打ちだ。それでもテルコはマモちゃんのことが好きだし、大好きだし、マモちゃんになりたい。
もうね、惨めで虚しくて映画館飛び出したくなる。家で観たらば5分に1回はブラウザバック。
客席やテルコの取り巻きたちが ナンデ????? 絶対もっとマシな男いるよ???もうやめよ???ってなる。当のマモちゃんすら 自分のどこを好きか理解できない ってテルコに言う。
でもそういうんじゃないんだテルコにとっては。
テルコにとっては
うるさい!
誰がなんと言おうと、マモちゃんに良い所が一つもなかろうと、見返りがなかろうと、
マモちゃんが好き
なのだ。
だってマモちゃんが好きなんだから。
良い所がない人間を好きになったらいけないなんて道理はどこにもない。
ストーリーの節目節目でヨウコや後輩OLやバツイチのババアとか幼少期のテルコの幻とかが世間様の正論を吐くけど、そんな 正しさ はちっともテルコを救わない。
うるさい!なのだ。
終盤になって、テルコのために連絡をとるのをやめようと提案するマモちゃんに対して マモちゃんを好きな気持ちなんてとっくに冷めてるからそんな必要はない。せっかくだし前に言ってたイケメンの友達を紹介してよ と。直後にマモちゃんとスミレさんとテルコとイケメンの4人でディナーを囲むシーンになる。好意を殺して醜くマモちゃんの傍にいようとするテルコの痛々しさったらない。でも
愛ってそんなに美しいものか。そんなに尊いものか。そんなに清潔なものか。そうでなきゃいけないなら邪魔だ。愛がなんだ。
ってことなんだきっと。
脳みそ覆された。
テルコのことしか書けなかったけどナカハラくんも最高の弱者。
社会に順応できない弱者たちにドラマティックな救済は訪れないし、満たされない自分を酒で麻痺させながらもがくしかない。
うるせぇなぁ!!正しいことを言うな!!!!!クソが!!!!!!っていう怒りに溢れてる。
強烈な負のエネルギーに釘付けにされました。最高です。