芋水割り

立派な人間

備忘録、60歳の自分

求人サイトを見ながら考えた。60歳の自分は何をしているか。

何をしているかは問題ではない。その自分の35年後から逆算したときの“やるべきこと以外のこと”をやりたくないのだ。ものぐさな人間なので。

35年後のことなぞ予想しても無駄だ。35年前、1986年にインターネットは無い。今から35年後の2056年に世界がどれほど変化しているかについて推して知るべしだ。全く分からないことは分かる。

 


芸能の現場で働いているのは、好きな人たちのファンじゃなくて仲間にしてもらいたかったからで、自分の中に積極的なアウトプットを待っているナニカがあるわけではない。だから別に芸能じゃなくてもいいよう気もするし、ただ芸能の外に僕の関心を惹きつけるものもない。

 


ただまあ現状に満足していないから求人サイトを眺めているわけで、でもこういうのを見ていると指針がグルグル定まらなくなってくる。自分はどこに向かって歩いているのか。この方角に歩みを進めた先に納得はあるのか。

 

 

 

ただなんとなくの方角の予想は立てられんじゃないか。どういう人になりたいか。どういう人の近くにいたいかは時代が移ろっても変化が少なそうだ。

 


そして思い返すと、「あぁ僕はこんな人になりたい」と思った人は過去にひとりだけいた。そんでそれ以降そんな風に思う人とは出会っていない。

大学時代の家の近くのバーテンのおっさんだ。

 


昼にキッチンのバイトをして夜に黒ラベルのビールを飲ませたり飲まさせられたりして、ドラムを叩くときとアイドルのライブを観に行くときだけ店を閉めるおっさん。バンドマンとバーテンという3大クズ職業のうちの2枚をブチ抜いているが、きっちり娘ふたりを育て上げている。男気のある人だ。あと温厚で優しい。

 


とりあえずはあのおっさんを目指すって方向で日々を積み上げていくのがベターなんだろう。

バーを開く。そんでこれはついでだけど、ちょっとしたステージがあると良い。娘を育てる(息子でもいい、というかまあ性別をふたつに分ける世の中じゃないか今は)。